フローとは
楽しみながら大きな成果を生むフローという状態
一つの活動に深く没頭して、ほかの何ものも問題とならなくなる状態。そしてその経験(活動)自体が非常に楽しいため、純粋にそれをするために多くの時間や労力を費やすようになること
『チクセントミハイ』
フローとは「流れ」という意味です。最近ではゾーンとも呼ばれ、一般的にもなってきました。
「無我夢中」フローに入るとどうなるか?
何かに夢中になっているうちに、気がついたらもうこんな時間!何時間かがほんの一瞬に感じた経験はありませんか?疲労感を感じず没頭して、いつまでもやっていたい。
こんな感覚がフローに入ると得られます。
フロー状態にある時、人は至高体験と至高動作の双方を体験、没入によってもたらされる高揚と幸福感、喜びを感じながらその取り組みにおいて大きな成果を生み出します。
すなわち、フローに入っている時間、頻度が多いほど、人は大きな成果、結果を生み出します。それは充実、幸福感あふれる豊かな人生と言えるでしょう。
フロー状態にある人や集団の特徴
- 作業や行動に明確な目標がある
- 行動の結果から目標達成の手応えが確認できる
- 能力レベルと目標達成の難易度が一致している(チャレンジ高、スキル高の状態)

仕事においての例

組織のフロー
- 組織のフローは個人のフローの集合体である
- 組織のフローはリーダー(ソース)のフローが組織に波及したものである
組織を構成する経営者含む社員がフロー状態となること。ただしそれは独立した個々のフローでなく、それぞれが調和しシナジーを生む集団のフローの総和であり組織全体のパフォーマンスを高めます。
会社を人の体に例えてみると、あなたの理想、志から生まれた会社の理念、ミッションが心臓部。その心臓から送り出され体内を巡る血液が経営者のあなたを含めた社員です。
この絶え間ない循環、営みが理念、ミッションを組織風土として定着させ、会社に一体感をもたらし更なる大きなフローを生み出していくのです。この流れこそがまさにフロー。
フローの源流
経営者、リーダーの理想、志から生まれた会社の理念、ミッション。会社は船、行く先が理念、ミッションに例えられるかもしれません。
そしてその船に乗る船員は社員。社員それぞれに夢や希望があり、それを叶えるためにその船に乗る。会社という船、その行く先が自分の夢や希望の実現に繋がっている。これは船員、社員であるということに理由をもたらすものです。
この「なぜ働くのか」という理由が社員に役割と存在意義に答えをもたらし、フローの入り口となる動機、モチベーションの源流となるのです。
これが成された組織はマネジメントの必要が無くなります。社員があなたの指示を待つことなく、主体的にベストを尽くすようになるからです。
そしてそれは単独のものでなく、波紋のように相互に作用、調和しシナジーを生み出します。これがチーム、そして会社全体へと広がっていくことで組織のフローが循環するようになります。
そんな組織風土がフロー経営の源流です。
フロー経営の例
スターウォーズ『ミレニアムファルコン』伝説の製作チーム
嬉々として猛烈に働いていました〜スタッフみんなが一種の躁状態で、持てるエネルギーと技術のすべてを注ぎ込んでいたと思うんです。
スターウォーズに登場、今もファンを魅了する「ミレニアムファルコン」。それはボツになった初期案からわずか1週間で完成しました。
その設計には「狂っている」とも言えるような嬉々とした熱狂、フロー状態の中、ユニークな発想と現場の柔軟な対応、遊び心、創意工夫、そして「他にない個性」を追求する姿勢が色濃く反映され、短期間のなか集中した創造力によって完成しました。
このような実験的なアイデアの積み重ねから生まれた、まさに「奇跡的」な宇宙船です。これは都市伝説的な逸話として語り継がれています。
全盛時、神話時代のSONYのフロー経営
創業時のソニーが全社的にその状態にあったと確信する「燃える集団」という不可思議な現象がフロー経営のベースになっている。
ソニーの設立趣意書にある「自由闊達にして愉快なる理想工場」が風土として根付き、そのなかで自由と自主性が保障された社員は面白い仕事を自ら求め、つまり内発的動機に突き動かされて仕事に励んだ。
開発を進める中では困難、もうどうにもならないという場面に何度となくぶつかる。それを普通なら諦めるところを、フローに入っているとダメをダメと思わなくなり何度も挑みそして突破する。諦めず、むしろフローによって生じる豊かな発想でそれを突破する。
これがこれまで世の中になかった革新的な技術、プロダクトを生み出したのである。
フロー経営は、このような「マジック」とも言える組織のフローを生み出すことを目的としています。