株式会社N社|リゾート不動産事業

富裕層向けのハワイ、アジアなどのリゾート物件の取り扱いつつ、オーナーの事業についての経営コンサルティングなども行っている企業。

代表の興味からウェルスダイナミクスのタイプ診断を実施。その後幹部へのテストを行い適材適所に配置転換を行ったところ、組織運営が円滑になり、その結果として代表が本来得意とする経営コンサルティング事業に集中できるようになった。

ウェルスダイナミクスのタイプ診断、そのきっかけは代表の方の自己理解への興味からでした。

  • 自分のタイプはどのような特性、性格傾向、また強み、弱みがあるのか?
  • テストの結果を事業、そして人生に活かしていきたい。

結果は「クリエイター」というタイプでした。
このタイプは特徴は以下のようなものです。

  • 得意(グラフの上側、ダイナモという領域):新しいことを思いつく、始める
  • 苦手(グラフの下側、テンポという領域):チームワーク、接客(空気、人の気持ちを読む)

後日、このテスト結果についての解説のセッションを行いました。

テスト結果において注目すべきは上部のパーセンテージで、これは自分がどの領域に才能を発揮しているか、関わっているか、また興味が向いているかがわかります。

この方のクリエイターというタイプは上側のダイナモという領域(48%)が本来の性質のホームポジションとなります。その強み、才能が最も発揮できる領域です。

ところが対極にある下側のテンポの領域(28%)にも関わりが及んでおり、それは注力しても成果が損なわれる苦手、弱みの領域です。

これをお伝えしたところ、少なからず衝撃を受けたようです。

さらにこの結果を深掘りしていくと、自社のチームに対してマイクロマネジメントを行っていることが原因となっており、それが自分(チームマネジメントは苦手)、また社員にとっての負担、束縛になっていることがわかりました。

この状態が現在会社の運営、また成長のボトルネックになっていることが判明。
問題の根本かつ本質的な改善には、幹部による主体的なチームマネジメントが必要であると結論づけました。

そこで幹部全員に対してウェルスダイナミクスのテストを受けてもらうことになりました。

その結果をそれぞれのタイプ毎に配置したものが上記の図になります。
代表の方が上側(ダイナモ側)、他の幹部の方達は下寄り(テンポ側)という結果です。

この結果を見てどう思われましたか?

一見すると、バランスが取れた組織に見えるんですよね。
それぞれのタイプの領域のメンバーがいて苦手、死角がカバーできる。

これは理想的な状態のように思えます。
それではなぜ代表の方は組織、現場を任せられないのか?

この問題の本質を見極める、それを紐解くにあたりウェルスダイナミクスのもう一つの診断、スペクトルテストが鍵となりました。

ウェルスダイナミクスというと特性、強み、弱みタイプを診断するプロファイルテストのイメージが強いようです。

ただプロファイルテストに先んじて重要なのがこのスペクトルテスト

この診断によって分かるのが意識レベル、社会的立場、役割、経済レベルそれらからの世界観、価値観といった対象者の人格とも言えるものです。

(ウェルスダイナミクスには個人の価値を可視化しマネジメントする内的価値、ウェルスフィットネスというフレームワークがあります。その中の要素として「人格」がありますが、それとも大きな関わりがあります。)

このスペクトルレベルが1つ違うだけで世界観、価値観が変わります。
2つ離れれば同じ言葉でも意味合い、解釈が変わってきます。

(これはその人がどう生きるかという選択であり良し悪しで無いことを強調しておきます。)

これは組織運営において重要な「ソース原理」にも関わるものです。

ソース原理とは根源的な中心人物「ソース」がどのように周囲の人「サブソース」に影響、作用し、それが波及してく様を理解しようとする理論、モデルです。
中心人物であるソースの情熱からなるビジョン、ミッションの実現にはその協力者であるサブソースの共感、理解が不可欠です。

ところがスペクトルレベルが異なることで、ソースの価値観、思考、また思いに対して共感が難しくなり、そこに溝、ギャップが生じる可能性が出てきます。
これらを踏まえチームメンバーにスペクトルテストを実施したところ、リーダーのスペクトルレベルが他のメンバーより低いことが判明しました。

リーダーのスペクトルレベルが他のメンバーより低い場合、リーダシップを発揮することが難しくなります。

これは前述通り世界観、価値観といったレベルの違いによるマインドのギャップが生じたため共創、協力関係が滞ることになります。
組織としての活力を損なっている状態です。

これが代表の方が現場を離れられず、マイクロマネジメントせざるを得ない原因となっていたようです。
このことを代表の方にお伝えしたところ、深く思い当たるようなことが多数あり早速配置転換を行いました。
(ただしリーダーの方のモチベーションを損ねることのないよう慎重を期して行いました)

これによって新たなリーダーとなったメンバーがリーダーシップを発揮、組織が円滑に流動するようになりました。
これは短期間で起こり、代表の方、そして私もこの変化に驚きました。

この出来事から徐々に代表は現場を離れることができ、今はご自身の情熱、ライフワークを形にする事業に取り組んでいます。

このように多くの組織は見えない、認識できない問題に囚われ、悩み続けています。
問題の特定、明確化が行われると長年の悩みも驚くほど早く解決します。

見えない問題を可視化し認識、解決するためにウェルススペクトル、ダイナミクス、そしてソース原理は大きな助けとなる事でしょう。